公営斎場の一般的な特徴

埼玉県は自治体単独で斎場を運営しているのは7市だけ

2021年現在、埼玉県には公営斎場は21、そして市町村は 61あります。公営斎場と自治体の数を比較してわかるように多くの公営斎場は自治体ごとに単独で作られたものではなく、複数の自治体で供用しているものです。
21の斎場のうち単独の自治体で使用されているのはさいたま市浦和斎場、さいたま市大宮聖苑、川越市斎場、川口市めぐりの森、熊谷市立葬祭施設(メモリアル彩雲)、行田市斎場、三郷市斎場、所沢市斎場の8施設です。さいたま市が2斎場を持っていることを考えると7市町村のみが単独の自治体で斎場を運営しており、そのほかの54の自治体は共同で斎場を利用しています。

そもそも公営斎場とはどのような施設なのか

公営斎場とは自治体のおくやみに関する住民サービスです。住民が亡くなった際に火葬を行っているほか、葬儀を行うための葬儀式場の貸し出し、ペットが亡くなったときのペット火葬、斎場によっては霊柩車の貸し出しや祭壇の貸し出しなどを行っているところもあります。
サービスの内容に関してはそれぞれの斎場や自治体の方針によって異なります。火葬業務は全ての斎場で行っていますが、その他の業務に関しては斎場の規模などによって様々です。

公営斎場の立地的な特徴

全体的な斎場の立地の傾向として、古くに作られた公営斎場は比較的立地が良い場所にあり、反対に比較的新しい斎場は郊外に作られていることが多くあります。
もちろん必ずしも古い斎場が良い立地にあるわけでありません。非常に古い斎場は環境面を現在ほど重視せず利便性を優先して作られることがあることや作られた当時には郊外だったけれど時間が経過していくにつれて住宅地域や商業地域が広がっていき、斎場の敷地が開発の波にのまれたという場合もあります。また、比較的新しい建物だけれど、その敷地自体はもともと旧斎場が建っていた場所だったという場合や別の公的な施設のための場所であったということもあります。
新斎場の建設にあたっては周辺住民との話し合いや交通の問題、周囲の環境に対する影響などを考慮して建てられるため、新斎場の必要性が検討されてから場所が決まり実際に建設されるまで10年ほどかかることがあります。

郊外ほど大型の総合的な斎場が建てられやすい

公営斎場の多くは郊外にあり、決して交通の便が良い場所にあるとは言えない施設が多いです。しかし、郊外にある場合には大型の施設になることが多く、また施設が大きければそれだけ多様なサービスを展開していることが多い傾向にあります。反対に都心部に近い立地の斎場の場合には敷地も狭く建屋も小さい施設である可能性が高いため、斎場として最小限の機能である火葬業務しか行っていないことが多いです