変化していく葬儀を執り行う場所 自宅から葬儀式場へ

現在では多くの葬儀が葬儀専用の式場で行われている

葬儀を行う場所には大きく分けて葬儀専用の式場、宗教施設、公民館などの多目的施設、そして自宅があります。以前は自宅や宗教施設で葬儀を執り行うことが非常に多かったのですが、最近では葬儀式場や宗教施設で行うのが一般的になっています。特に葬儀式場での葬儀は非常に割合を多くしており、おおよそ7割から8割の葬儀が葬儀式場で行われているという調査結果もあります。

半世紀ほど前は多くの葬儀が自宅で行われていた

葬儀式場は1970年代以降に急速に増加しています。そこには需要と供給の両方が増加していったという背景があります。集合住宅が増加し自宅で葬儀をすることが難しくなったことや地域と関係なく葬儀を執り行いたいという人が増加したということもあるでしょう。消費者にとっても利便性の高い場所があるということが分かり少しずつそうした施設で葬儀を執り行う人が増えていました。また集会所や公民館などの別の用途で使用される施設で葬儀をすることを好まない人がいたということもあるでしょう。
少しずつ葬儀式場は浸透していき、それに比例して供給である葬儀式場の数も増加していったのです。

葬儀式場の存在の認知が広まると公的な葬儀式場も作られていった

葬儀式場で葬儀を執り行うことが珍しくなくなると、自治体でもそうした葬儀専用の式場が作られるようになりました。多くの式場は火葬施設と併設して作られました。老朽化した火葬場を作り直す際や新たに自治体の火葬施設を作る際などにともに建てられることが多かったのです。そのため最近作られた斎場ほど葬儀専用の式場が併設されていることが多いのです。

公営の斎場はその公的な性質上、公益性を重視して作られています。そのため誰にでも利用できる価格帯で利用料が設定されています。
もちろん葬儀は宗教的なことであり、また必ず葬儀を行わなければならないわけではないことから葬儀そのものの手伝いをしてくれることはありません。しかし場所を借りることはできます。また自治体によっては祭壇の貸し出しや霊柩車の貸し出しなど葬儀に付随するサービスを受けることもできます。

安心して利用できる自治体のお悔やみのサービス、公営式場

公営斎場は都市部を中心に少しずつ数が増加しつつあります。その背景には葬儀は斎場でするべきであるという考え方が一般的に浸透したことがあるでしょう。特に都市部の場合葬儀を行うことができる場所を探すことは困難です。関係のある寺院などの宗教施設がある場合にはそこで行うことができますが、多くの人はそうした寺院などに関係性がなく、葬儀業者の持つ葬儀専門の式場か公営斎場で行うのが最も一般的になってきています。
そうした中で利用料金が比較的安い公営斎場というのは非常に人気があり、次期によってはなかなか利用することができないということもあるのです。