葬儀式場にはどのようなものがあるのか

現在ではほとんどの葬儀が葬儀式場で行われている

現在では多くの葬儀が葬儀専用の式場で行われています。その割合はおおよそ70%以上と言われています。この割合は都心部であるほど高くなる傾向にあり、反対に地方にいくほど割合は低くなる傾向にあります。
今から50年ほど前を考えてみると葬儀のほとんどは「自宅」「地域の集会施設」「宗教施設」で行われていました。このように葬儀専用の式場で葬儀が行われるようになったのにはどのような背景があるのでしょうか。

1970年代以降葬儀業社の営業努力により葬儀専用式場が増加

ひとつは葬儀式場が非常に増加したということがあります。葬儀業者が単純に葬儀を執り行うだけでなく、葬儀式場を建設しそこで葬儀を執り行えるようにしたということがあるでしょう。
それ以前は、葬儀は地域やその地域の寺院などの宗教施設で執り行われていました。しかし、人々の生活が地域を仲立ちにしたものから企業などの所属を仲立ちにしたものに変化していったなかで、葬儀は地域のものから家族のものへと変化していきました。それと同時に葬儀業者に委託する人が増加していったのです。

多くの集合住宅では自宅で葬儀を行うのは難しい

生活が変わっていくなかで、また住宅環境が変わっていくにつれて、自宅で葬儀をするのが難しいという状況が増えていきました。建築物の高層化や集合住宅化が進み、戸建ての建築物が減っていったのです。現在のマンションの中には規約に遺体の持ち込みを禁止するものもあります。またこうした集合住宅では通夜や葬儀などを行うことは環境的に難しいのです。そうした場合、地域のコミュニティセンターや公民館などを利用して葬儀を行うのが一般的でしたが、そうした施設を葬儀に使うということに対する抵抗もあり、現在では葬儀専用の施設が好んで使用されているのです。

大型の斎場を中心に公営斎場に葬儀式場が併設されるようになった

自宅での葬儀の執り行いは今後も減少していくでしょう。またそうした動きに対して自治体でも葬儀式場を設ける動きが進んでいます。火葬炉の少ない小型の斎場の場合には難しいですが、火葬炉の多い斎場や新設された斎場には葬儀専用の式場が併設されていることが多くなってきているのです。こうした設計や斎場の利用方法は自治体やその関連組織に権限があるため、施設の内容に差があるのは当然ですが、全体の流れとして斎場に葬儀式場を併設した施設は増加しているのです。

平成19年に供用開始の埼葛斎場

埼葛斎場もそのひとつです。春日部市・蓮田市・白岡市・杉戸町を関連地域とするこの施設は平成19年に埼葛斎場の供用を開始しました。この斎場には8つの火葬炉のほかに1つの葬儀式場があり、葬儀の際に利用できるようになっています。
50年前とは違い、現在では葬儀式場で葬儀を行うのが当たり前になってきました。そうした中で、自治体を中心に運営されている公営式場は安心して利用できる葬儀関連施設です。自分の住む自治体にそうした葬儀可能な施設が併設されているのであれば利用してみるのも安心して葬儀を行うひとつの方法ではないでしょうか。