葬儀のプランが多様化した理由は

現在では非常に多様な葬儀プランが見られる

最近の葬儀プランを見ていると「一般葬」・「家族葬」・「一日葬」・「直葬」などさまざまなプランがあります。「一般葬」「家族葬」と呼ばれるものは「お通夜」「葬儀・告別式」「火葬」で構成されています。一方「一日葬」は「お通夜」が、「直葬」は「お通夜」と「葬儀・告別式」が省略された形式です。
葬儀が多様化する現在、消費者の間にもこうした名称が広く伝わり普及してきました。これらの葬儀の形式というのは最近作られたものなのでしょうか。

現在の葬儀の原形は江戸時代に作られた

その疑問を紐解くためには葬儀の歴史について考えなければなりません。
現在の葬儀の形のもととなっているのは江戸時代に普及した仏教式の葬儀です。現在でも葬儀のおおよそ9割が仏教式で行われています。仏教は宗門改めや寺請制度などで江戸時代に国教として広く庶民に普及しました。その習慣が明治以降も続き、現在の一般的な葬儀の形式となったのです。

大きな変化は明治時代末期と高度経済成長期

葬儀の形式が大きく転換の兆しを見せたのは明治時代後期と高度経済成長期です。江戸時代から続いていた葬儀は華美なものとなり、多くの家で経済的な圧迫の原因となっていました。特に多くの負担の原因となったのは葬列でした。葬列は葬儀を行った後に火葬場もしくは土葬する場所まで遺体を運ぶ遺族の列でした。この葬列がどれほどの規模なのかによってその家の格が表れるとされていたため、多くの家ではその葬列を華美に行っていたのです。中にはその葬列に挨拶にきた人全員に餅を配るというものもありました。
2年以内に二人がなくなるとその家が傾くと言われるくらい費用が大きく、それに対する代替案として告別式が作られました。
この葬列は地域によっては戦後まで続いています。

硬度掲載成長期に葬儀は大きな変化を遂げた

高度経済成長期になると葬列はほとんど行われなくなりました。高度経済成長期には多くの葬儀業者が発生し、葬儀の形式が地域によって特色を持ったものから、全国で画一的なものとなっていきました。このころに起こった大きな変化は、お通夜の変化です。それまでお通夜は親族やごく親しい人のみで行われていましたが、かつての葬列やそののちの告別式のように一般弔問客が参列できるようになったのでした。
通夜と告別式はほぼ同じものとなり、一般参列者の利便性が図られるようになったのです。
こうした葬儀が大きく変化するのは2000年代に入ってからです。特に2010年以降葬儀の形式や意義に見直しが図られ、それまであった一般参列者への便宜以上に遺族のことに重きが置かれるようになったのです。その結果、同一してしまった通夜と告別式のうち、通夜を省略する「一日葬」や葬儀の最小限の葬儀である「直葬」なども広く知られることになりました。
葬儀は広く知らせて一般弔問客とともに行うものであるというそれまでの一般常識が崩れ、現在のようにその家の考え方に合わせた葬儀を選択する時代になったのです。